BASIC WORK


ここでは、管理人がやっている製作法を紹介していきたいと思います。
ガンプラの製作法には様々な製作法があり、これが最も適しているというような決まり事はないので、個人様の好み、スタイルによって製作していくのがベストかと思います。ここで紹介する製作法は、あくまでも製作法の一例と思っていただければ幸いです。
主な内容は、鑑賞用全塗装ガンプラに関する基礎的なことです。模型関係の書籍やWEBからの情報などで知られている一般的な方法ですが、やりやすい順序でまとめてみました。
塗装はエアブラシによる塗装を前提とした説明です。今のところ画像が少ないので非常に解りづらい説明ですが、不定期更新ということで後々入れていくもりです(滝汗)。気長につきあって下さると助かります('06現在)。


TOOLS

GRAFT篇 ◆ PAINT篇 FINISH篇
・工作 ・塗装法 ・仕上げ


◆GRAFT篇
仮組み
説明書通りに組み立て、各部のバランスや後ハメ箇所、パーツ干渉箇所の確認、必要ならば改修ポイントのチェックを行います。後ハメ箇所の確認や、いろいろなポーズをとらせて弄ってみて可動範囲の確認などに重点を置きます。WEBでの公開、コンペなどの画像を撮る場合、ストレートでもショットアングル、ポージングによっては、見映えが随分と変わりますので動かしてみてキットの良さとネック部を把握することは大切かもです。

さて、組む際の留意点ですが、各パーツはランナーに付いてるので、ニッパーやナイフ等で切り離します。このときゲートをパーツぎりぎりの箇所で切り離さず、パーツから1mmくらいのところでカットします。ぎりぎりの箇所で切り離すと、ゲートと一緒にパーツからプラが剥がされるようなかたちになるので、穴やキズの原因となります。また、組み立てる際は、接合ピンを半切しておきます。あくまでも仮組みですので、すぐに取り外せるようにです。


ゲート処理(パーツとランナーを繋げているもの)
あらかじめ切り離しておいたゲートを精密ニッパー、デザインナイフなどできれいに切り取り、棒ヤスリや♯400、または♯600のフィニッシングペーパーで面を整えます。もし、穴があいたりキズがついてしまった場合は、パテやトキパテ、瞬間接着剤をつけておいて表面処理時に一緒に整えます。


目消し(パーツ同士の合わせ目消し)
其の壱 タミヤセメント(ラッカー系接着剤)によるもの
タミヤセメント(接着剤)をパーツ接着面に多めに塗り接着させます。すると見事に接着剤がはみ出しますのでその状態のまま洗濯ばさみなどで固定し完全硬化を待ちます。俗に言う、ムニュ〜するですね(笑)。硬化時間は気象状況によっても変化しますが2、3日が目安です。固まって乾いたようでも肉やせ(*)する(ひける)ことがあるので、ここはじっくりと待ちましょう。この合わせ目消しはプラを溶かすというラッカー系接着剤の性質を利用したものなので完全硬化が大切です。
完全硬化したら、棒ヤスリや♯400のフィニッシングペーパーで面を整えていきます。このあと表面処理をしますので、この作業はひとまず終了です。


其の弐 瞬間接着剤によるもの
パーツ接着後、アロンアルファなどの瞬間接着剤を合わせ目に沿って塗ります。そして、硬化後に、棒ヤスリや♯400のフィニッシングペーパーで面を整えていきます。
この方法は接着面に若干のすき間がある場合や早く作りたいときに便利です。少しのすき間ならば、瞬間接着剤で埋めることが出来ます。ゼリー状瞬間接着剤でもよいかと思います。但し、瞬間接着剤は硬化が速いですが、最初のパーツ接着にラッカー系接着剤を使用した場合、ペーパー処理後に肉やせしラインが浮き出ることがあるので速く作りたい時は、ラッカー系接着剤を使用しないほうがいいです。
何気にオイラはこの方法を多用しており、あまりタミヤセメントは使いません(爆)。


其の参 パテによるもの
パテには様々な種類がありますが、合わせ目消しでははラッカー系のパテ、タミヤパテを使用しています。接着面のすき間が大きい場合や、接着面に段差がある場合に使用します。
ラッカー系接着剤を接着面に塗り、接着後、すき間が大きい箇所や、段差がある箇所にパテを盛り上がる位に塗り込んでいきます。ラッカー系ですので肉やせ必至です。完全硬化を待ちましょう。硬化後、棒ヤスリや♯400のフィニッシングペーパーで面を整えていきます。


パテの種類と用途
模型で使用するパテをおおまかに分類した場合、ラッカーパテとエポキシパテ(エポパテ)、ポリエステルパテ(ポリパテ)に分けられます。これらのパテはそれぞれ性質が違うものなので用途によって使いわけます。例えば、合わせ目で生じる段差やちょっとした凹みはラッカーパテ。大きな肉穴などを埋めたり、ボディの形状を変更する場合は、ポリパテやエポキシパテが適しています。アルテコもありますが、何故か縁がなくて使用したことがありません。

造形において最も適しているのはエポキシパテで粘土のように自由な造形が可能です。但し、エポキシパテには速乾性、高密度タイプ、軽量タイプなどがあり、他のパテ(ラッカーパテ、ポリパテ)に比べると重い(特に速乾性)ので、使用量や使用する箇所にはなるべく気を遣うようにしています。
大きめの肉穴埋めにラッカーパテ(タミヤパテやMr.パテ)を一気に使用するとパーツがふにゃふにゃに溶けることがあります(汗)。大きめというのが微妙(笑)ですが、ラッカーパテはプラを溶かすので、多量のラッカーパテを使用する際は注意が必要です。どうしてもラッカーパテを多く使用したい場合は、少し盛っては硬化を繰り返せばヘイキです。

*肉やせ(ひけ)について
主にラッカー系接着剤やラッカー系のパテを使用した場合におこる現象です。完全硬化を待たずに作業を進めると、ペーパー処理後に、やんわりと合わせ目にそって凹みができたり、パテで面を整えたはずなのに2、3日したら、凹んでる・・・というようなことがおこりがちです。つまり完全硬化によって容積が減少したということです。厳密にいうとこれは、ラッカー系塗料を使用した塗装中や塗装後などにも見られがちです(滝汗)。ラッカー系塗料によって一時的に表面が溶かされ再硬化する際にもとの状態よりも容積が少なくなると、若干ですが凹んでしまいます。これを防ぐには薄めた塗料を一度に厚吹きしないということと、トキパテやサーフェイサーでしっかり下地処理をしておくといいかもです。まぁ、ここらへんは気にしたらきりがないのでリラックスしていきましょう(汗)。


表面処理、ひけ処理
合わせ目箇所に重点をおき、500番トキパテを筆塗りしていきます。このとき目で確認できる“ひけ”(ここではプラ生成の段階で生じる凹み)にもトキパテを塗ります。凹みが大きい場合はラッカー系のパテを使用します。合わせ目箇所に重点を置くのは、合わせ目が消えているかどうかを確認するためです。もし消えていない場合は、トキパテを厚めに塗るか、瞬間接着剤をつけたりして再度♯400のフィニッシングペーパーで処理します。ひけ埋めにラッカー系のパテを使用した場合は棒ヤスリ→♯400が効率的です。このとき、後述の面出し、エッジ処理をしながら作業を進めます。その後、全体を♯600のフィニッシングペーパーで処理し、ペーパー処理をする過程で目には見えなかったヒケがはっきりしてくるので、その箇所にはトキパテを塗り、再度ペーパー処理していくようにします。

合わせ目消しの確認は、スプレータイプのサーフェイサーを一吹きして確認後、表面処理していくこともあります。延長工作などをした場合は、こちらのほうが効率的です(ステサフ)。

「表面処理って全面やるのですか?」という質問をいただいたことがあります。これは、あくまでも個人様の満足度の問題なので人それぞれです。
全面やっていてもやり方が悪い(下手)だと、意味ありませんし、あまいやつは完成度に差が出ます。それだけです。

フィニッシングペーパーによる表面処理は、♯400→♯1000くらいでよいと思うのですが、塗装下地のサーフェイサーの種類、または、仕上がりをつや消しにするか半光沢、光沢(グロス)にするかで異なります。
自分的には、つや消しまたは半光沢ならば♯600〜♯800、♯1000くらい(フラットなのである程度の磨きあとは目立ちにくいということと、サーフェイサーでカバーできるため)の表面処理が必要かと思います。ツルピカグロスの場合は、♯1000→サーフェイサーの後、塗装後も表面処理、クリアーコーティング、磨き(極細ペーパー・スポンジ、コンパウンドetcによる研磨)を要するので根気のいる作業となります。
いずれにしろ、綺麗めな塗装を前提とした場合は、表面処理、下地処理にどれだけ時間をかけたかで作品の出来具合が変わってきますので、なるべく丁寧な作業を心掛けたいですね。
もっとも、ウェザリングや鋳造表現、ダメージ表現など製作コンセプトによっては意図的に荒目にするなど表面処理の仕方が異なってきますので、ここらへんは個人様の好みでもあります。自分が子供の頃は、ガンプラといったらウェザリングが主流だったというような時期もありAFV仕上げのようなものに随分と凝ったものです。モチ、てんでなってませんでしたけどね(笑)。


面出し、エッジ処理
表面処理と前後するのですが、面出し、エッジ処理の説明をいたします。プラパーツは平らに見える箇所でも正確には真っ平らではありません。そこでなるべく真っ平らになるようにと手を加えるわけです。これ面出しです。エッジ処理とは、多くはバンダイエッジといわれているもの、つまり緩い半端な面をカットしシンプル、シャープにするということですね。この作業で欠かせないのが「あて木」です。当然のごとく、平ヤスリ、フィニッシングペーパーで処理していくわけですが、平らな面を出したり、エッジをシャープにするのですから、あて木はあったほうがよいです。必須アイテムでもあるヤスリホウダイなどとても便利です。あと、木製のアイスクリームスプーン(コンビニのはタダ)やプラ板を使いやすいようにカスタマイズしてもよさげです。用は平らなもので使いやすいものなら何だっていいんです。フィニッシングペーパーを両面テープで固定して使います。この処理をやったものとやらないものでは完成度に雲泥の差が出ます。


関節等、塗装膜対策(クリアランス調整)
関節など可動を前提とした箇所では、組んだ時は何事もありませんが、塗装後に動かしたらせっかくの塗装が剥げてしまうことがありました(汗)。これは、塗装により可動箇所が太り、干渉し合うようになってしまったということです。可動式全塗装模型の性質上、干渉による多少の塗膜剥がれは仕方のないことかとも思いますが、腕部、脚部関節、その他の箇所など、工作次第で防ぐことができます。回避の方法は仮組み時に干渉しそうな箇所をチェックしておいて、干渉しないように削ってしまえばいいのです。それだけといえばそれまでなんですが、これが結構手間かかるんですよね(汗)。画像はサフチェック後のものです。


場合により、関節だけでなく、受け側も削ることがあります。ケースバイケースですね。



モールドの彫り直し、視覚的別パーツ化
モールドは表面処理、サーフェイサーによって、浅くなったり、消えてしまったりすりことがあるので、若干深めに彫り直しておきます。表面処理前にやってしまってもかまわないと思うのですが、自分の場合は♯600での処理中に加減を見ながら彫り直しています。モールドの幅、深さに合ったツールを選択することがポイントですね。穴もピンバイズで掘り直します。視覚的別パーツ化というのは、単純に一体整形のものを分割ラインに沿って彫り込みを入れることによって別パーツのように見せかけるということです。うそっぽいですが、スミイレをするとリアルになります。

アンテナのシャープ化
もはやいうまでもありません。定番中の定番です。HGやHGUCでは、こんなにごっついアンテナあるわけないと思うんですけどね(笑)。仕方ないです。ガンプラは玩具扱いですから、お子様への配慮は当然のことなのですw。
さて、先端に向かってシャープにしていくだけですが、なかなかコツのいる作業です。管理人自身、何度折ったことか。。。(滝汗)。てか未だに下手です。HGやHGUCの場合はあきらかに余分な箇所をニッパーやナイフで切り落とし、♯400または♯600のフィニッシングペーパーで削っていきます。MGの場合は、元来ある程度はシャープなものですから、♯600のフィニッシングペーパーで削っていきます。非常に繊細なものになりますので、側面から一点的な力を加えると折れてしまいます。力の方向を先端に向かって抜けるような感じにもっていくといいかもしれません。鉛筆を削るような感じですね(削ったことある?)。ツンツンビンビンなシャープ化は素晴らしくカッチョヨスですが、完成後のクラッシュが危ぶまれ、またそうなった場合、非常に悲しいものがあります(汗)。ここらへんの加減は難しいものがありますねw。


肉穴埋め
外見上、障害になると思われる肉穴をポリエステルパテ(ポリパテ)やエポキシパテ(エポパテ)で埋めます。エポパテは比重が高いので特に下半身での肉穴埋めにはこちらのほうがよいかもです(自立安定のため)。もっとも、不必要な肉穴を逆手にとってディテUPする方法もありますし、あくまでも見た目の判断なので個人様の好みによるところが大きいかと思います。




◆PAINT篇
今までの表面処理の成果が試されます(笑)。まぁサフを吹いていけば表面処理のあまい箇所やキズの残りがわかるので、まずい箇所は修正していきましょう。
これ好みの問題で私見なんですが、いくら力を入れた改造や丁寧な工作をしても塗装が失敗してたらアウト。自分的にはダメなんです。失敗して反省した経験がありますし、勿体ないことをしたと思いました(汗)。逆に改造に力を入れなくても基本工作、表面処理がうまくいって、偶然にも塗装があか抜けていたりすると気分的にいいもんです。
一鑑賞物としての模型を作る場合は、当然のごとく塗装は重視されるべきものなんですよね。
ガンプラの塗装法は、大きく分類すると現在最も一般的だと思われるベタ塗装、グラデーション塗装に分けられるかと思いますが、やはり塗装法にも決まりはないと思うので好きなようにやるのがベストかと思います。但し、塗料の成分による違いは理解しておいたほうが無難です(ここでは説明しませんが・・・汗)。ここでの説明はちょい発色重視風のベタです。グラデーション塗装については、自分の撮影技術では、現物と画像とのギャップが激しいので出来ませんw。あしからず。。。


洗浄
パーツを全て洗浄します。削り粉やゴミ、手油をきれいに落とします。まず、大きめの桶に水を注ぎ、中性洗剤を数滴たらして、よく混ぜます。少し泡立つくらいでよいかと思います。その後、全パーツを桶に入れ歯ブラシなどをで入念に削り粉やゴミなどを洗い落としていきます。全て洗い終わったら、別の桶に用意した水道水に入れ、よく濯いでから、布などで拭き充分に乾かします。ここで注意したいのがパーツを壊さないこと、紛失しないことです。くれぐれも誤って排水口に流したりしないようにw・・・(汗)。ざるなどに入れて濯ぐと安全ですね。

一度に洗浄してしまうことが多いですが、水研ぎすることもあります。水研ぎはつい削りすぎてしまうことがあるので苦手ですね(汗)

塗料の種類について
塗料の種類は生成による分類では、ラッカー系、アクリル、水性、エナメルに分けられます。さらにそれぞれの塗料には、粒子の大きさ、成分により、顔料(一般的な色)、染料(クリアー○○)、蛍光、メタリック、パールの種類があります。自分が使う主な塗料は、ラッカー塗料です。ラッカー系は、アクリル、水性に比べると乾燥が早く、塗装膜も強いので模型のエアブラシ塗装には最も適していると思います。エナメル塗料はプラを浸食しますので、プラに直接塗るのは避けたほうがよいと思います(プラ割れをおこします)。

下地塗装
サーフェイサー(サフ)
そもそもサーフェイサーは、塗装前の下地を作るもの、塗料の食いつきをよくし、その隠蔽力を生かして、塗装する際に障害となる生成色カラーを封じ込めるというものです。このとき、塗装面のキズをチェックし、サーフェイサーで消えなそうな目立つヤスリキズを見つけたら処理し直します。表面処理とサーフェイサーでの下地作りは同一過程なので、サーフェイサーを吹きながら表面処理していくこともあります。

サフには粒子の番号があり、トキパテの延長(粒子の細かいもの)と考えてもよいかと思います(クレオスの場合、粒子の大きさが違うだけで成分は同じ)。自分は1200または1000のスプレータイプ、瓶タイプを併用しています。
スプレータイプはうっすらと一吹きしてキズチェックに。瓶タイプはその後の上塗りです。

瓶入りサフの希釈は目分量で1:4〜7くらいです。その後の塗装で塗装膜が厚くなりすぎないように注意しています。あまりナーバスにならなくてもよいかと思いますが、シャープ化したエッジは塗装膜の厚さで緩くなりがちです。満足度にもよりますが、一般的な下地塗装はこれでいいかと思います。基本色にフィニッシャーズのような発色効果の高い塗料を使用する場合は、本来の発色効果を出すためにもホワイトの上塗りをします(基本色後に、パールやカラークリアーを使用する場合は、あまり意味がないのでここで終了したりします)。

*サフレス
サーフェイサーを吹かなくても大丈夫なくらい表面処理をしっかりやったものと捉えています。ガンプラですと、生成色と基本色が同系色の場合など可能ですね。ヒケや合わせ目消しなどには生成色パテ(タミヤセメントにランナーを溶かして作ります)を使用します。自分の場合は簡単フィニッシュのときにやります。完成度にもよりますが簡単フィニッシュは一定以上の技術を必要とするもので簡単ではありませんね(笑)。

ゲート箇所のみの処理などをして塗装に入るのは、自分的にサフレスとは思っていません。サフレスには違いないんですけどね(苦笑)。満足度にもよりますが、完成度の低さは歴然としたものがありますし、パーツ処理をしないで塗装に入ることをサフレスと思っている方も多いらしいのでいちおう書いておきました。


○ ホワイト、グレーによるもの
カラーリングで綺麗な発色を得ようとするならば下地の色は重要です。一般的には基本色の明度・彩度(*)が高いもの、ポップでライト、清潔感のあるものにしたい場合は、ホワイト。基本色の明度・彩度が低く、重厚なものにしたい場合はブラックに近いグレー、またはグレーが向いていると思います。勿論、基本色の明度・彩度が低い場合でも、ホワイト下地にすることによってライトな感じが得られます。サフ作業でホワイトサフを使えば手間も省けるのですが、自分は、サフを吹きつけた後に、フィニッシャーズのファンンデーションホワイト、または、クレオスのベースホワイトを使っています。グレーの場合も同様です。希釈はなるべく薄めにして何回も吹いて下地を入れていきます。


*明度・彩度について
フォトショップやイラストレーターなど画像ソフトを使っている方には馴染みの深い言葉だと思いますが、簡単に説明すると明度が最も高いものは「白」、最も低いものは「黒」です。また、彩度とは「色み」、「色の濃さ」のことで、最も高いものは、蛍光色にも似た色みの強いもの、最も低いものはグレー(モノクロ)となります。彩度は色を決定づけるものではなく、そこに色相が加わると「色」が決定されます。色相とは人間が認視できる青とか赤とか黄色といった実際の「色」のことです。色の三原色やRGBカラー色温度(赤・緑・青)ってやつですね。ここらへんは、光との関係などちょっとマニアックなものになりますのでパスさせて下さいまし(汗)。てか、わからんし。。。


○ 基本色から彩度を下げたもの
基本色が原色のもの、例えば、青ならば水色、赤ならばピンクといったようなパステルカラーで下地を作ります。ベースとなるホワイトに顔料の他、染料系塗料(クリアー)や蛍光塗料を混ぜてパステルカラーを作ります。染料系塗料や蛍光塗料は、発色効果が高いので上塗りする基本色の発色を手助けしてくれます(基本色の明度・彩度が低い場合はあまり意味がありません)。蛍光塗料は、入れすぎるとにじみ出てしまうので入れすぎには注意します(ガイアカラーの蛍光○○は薄めのクリアーだと思うのでそれほど心配ありません)。
ホワイトやグレーの場合と同様に、サフを吹いてからの作業となります。
実物はもう少し彩度が低いです(色が薄い)。


○ フレッシュ(色限定)
黄色や赤など、特に透過性の高い色の場合は非常に有効な下地色だと思います。実際塗料の乗りもとてもよいです。基本的にはその名の通りフレッシュ(肌色)なのですが、自分はベースとなるホワイト、赤、クリアーオレンジetcなどで調合しています。


基本色
実際のカラーリングです。設定色や好みの色を作ります。各色顔料をベースとしますが、染料(クリアーブルー/レッドなど)も混ぜながら調合していきます。蛍光ピンクや蛍光ブルー/レッド/オレンジなどの蛍光塗料も隠し味程度に入れるとさらに発色がよくなると思います。また、使用している顔料がつや消しや半光沢の場合は、クリアーを調合しておいたほうがスミイレがやりやすくなります。




◆FINISH篇
オーソドックスな仕上げについてです。やっぱ仕上げって大事でしょw。でもね、ここで失敗すること多しです(汗)。あせりとか・・・・。


スミイレ
モールドなどにタミヤのエナメル塗料を流し込み立体感をつけていきます。基本的には、石油系溶剤で適度(4倍〜)に薄め、面相筆などでモールド箇所に流し込みます。一点にピチョッとつけるだけでモールドに沿って勝手に流れます。彫り直しなど上手くいっている場合は、さらに簡単に流れてくれるので快感です(笑)。
その後、はみ出した部分のスミを綿棒で手早く拭き取ります。やり方によっては乾燥を待って拭き取る方法もありますが、自分は待てません。というかエナメル浸食を警戒してのことです。基本カラーはほとんどの場合、半光沢以上のツヤありに調合しているので、それほど心配することもないのですが、完成品模型を長期的にみた場合、なるべくならばプラは侵したくありませんからね。エナメル、石油はプラをぶっ壊します。エナメルによるプラ破壊(クラック)は、挟み込みなどテンションがかかっている箇所以外は、すぐには現れず、後できます(強度が落ちるなど)。これは要注意!。
因みに何故、ラッカー塗料を半光沢以上のツヤありに調合しているかなのですが、PAINT篇・基本色にも書いたように溶剤を拭き取りやすくするためです。これは、塗料粒子の大きさによって溶剤の浸透度が変わるということにあります。粒子が大きめの塗料、つまり表面がザラザラになるもの、これフラット系のことですが、表面がザラザラのものにスミイレをすると、めったなことでははみ出しを全て拭き取れません。また粒子が大きい分、塗装面にも若干すき間があいており溶剤が見事にプラまで浸透します。反面、粒子の細かいクリアー(光沢)は、フラットよりもコーティング性に優れています。

スミイレは、スミのカラーによっても仕上がりがガラッと変わりますので、基本カラーとのコーディネイトを楽しんでみてもよいかもですw。このサイトでの完成品は無難なものばかりですけどね(汗)。

*石油系溶剤について
タミヤエナメルカラーは、その性質上、石油系の液体ならばほとんどのもので薄めることが出来ます。若干の濁りも生じますがスミイレの場合は、気にさえならなければいいので他のオイルを使用しています。専用溶剤を使用してスミイレした完成品と見比べてみましたが、肉眼では判別できませんでした。
専用溶剤は、塗り分けなど細かい箇所に純色を筆塗りする場合のみ使用しています。
タミヤエナメルカラーの専用溶剤は、エナメルの拭き取りには最も適していないと思います。乾きが遅いんです。安全性を重視しているのだと思いますが揮発性が低い分、プラを侵します(割る)。これを考慮し、自分が拭き取りに使用している溶剤は、ZIPOオイル(ライターオイル)、ペトロール、ターペンタインです(07.6現在)。これらは、専用溶剤よりも揮発性が高いのでその分安心ということです。つまり、揮発性が高い、イコール、プラを浸食しにくいという考えです。ターペンタインは揮発性は低いですが、マツヤニだからか、自分の実験ではプラを割りませんでした。ZIPOオイルが最も揮発性が高いのですが、その分引火性も高く危険なので、ペトロールをお勧めいたします。この辺の使用についてはあくまでも自己責任でお願いいたします。


デカール
市販のガンダムデカールやWAVEのXデカールをよく使います。水転写式デカールです。アルプスMD5500でクリアデカールに刷った自作のものも使っています('06より導入)。ガンプラMGなどでは付属ドライデカールと併用しています。貼る際は、マークソフター又はマークセッターを使用し、これらは、貼るデカールの種類によって使い分けています。軟化剤なので種類、使い方によっては完全に溶かしてしまうものもあるので原液を若干水で薄めたものを、綿棒、面相筆などで、軟化、縁を半溶させながら貼ります(要テスト)。市販デカールは、軟化剤を使用しなくても十分使えますが、ウキや接着性など全然違います。
デカールはウキ、シルバリング対策が難しいですね。実際にはあまり目立たなくても、撮影時に反射するなど、ツヤの不均衡さが目立ってしまい、よく後悔します(滝汗)。
対策としてはデカール貼付前に表面にクリアーを吹き付けるとかなり解消できます(こういうこともあるので最初から艶ありにしていますw)。もし空気が入ってしまったらナイフや針で空気を抜いてからソフターで馴染ませます。その上からクリアーを吹き付ければさらに目立たなくなります。
結局のところ、シルバリングはデカールの縁や文字、模様のない繋ぎの部分が主な原因なのでギリギリのところでカットするのがベストですね。クリアデカールの自作はカットしないと始まりませんがw(汗)。


こんな感じでカットしてます。

で、ちょっとマニアックな話。
小さすぎて肉眼では見えないのですがやはり文字にも拘りたいものですよね(’07.9現在)。あくまでも虫眼鏡の世界ですが・・・。
左のメタリックシルバーが自作品、中央のレッドがHIQPARTSさんのもの、右のレッドがB社さんのもの。
自作のものは、使用フォントにもよるのですが、このタイプだとこれ以上小さくすると潰れますw(読めるものもあるので比較品が悪かったです 汗)。B社さんのは無理すれば読めますがけっこう潰れてる。
でもね、、、HIQPARTSさんのはスゴイんですよ!全く潰れてなくて、スキャンして視て見たのですがしっかり読めました!。で、下の画像はHIQPARTSさんのNCデカール。実物大と一部のアップです。アップの単位はミリ。読めるでしょ。拡大したほうの下段は3mm以内で文字が収まってますね。ドビックリ!。



デカール貼付後、クリアーを吹き付けたものです。カットした縁を軟化剤で半溶、がっちり接着後、クリアーにてツヤを均一化してコーティング兼カメレオン効果。
実際、実物の縁は探そうとしなければ見えないくらいです(因みにインフィニットバストラインはマスキング。胴は2mm延長、股は3mm延長+α)。この後トップコートに入ります。


使用デカールの厚さにもよるのですが、縁を完全に消そうとする場合はカーモデルやバイクのようにクリアーを厚吹きして磨き(極細ペーパー・スポンジ、コンパウンドetcによる研磨)をかけるといいです。
正直しんどいです(滝汗)。。。。

画像の市販デカールは、縁をカットしてませんw(’06.11製作)。。。なので、かなり目立ってしまったのでシールドのみクリアーを厚吹きして磨きをかけました。その後、フラットコートしています。
縁をカットしてこの作業するのがベストなんですけどね〜(滝汗)。



スミイレとデカールの順序なのですが、通常、スミイレ→デカールで行っています。但し、ウォッシングなどウェザリングをする場合は、工夫により行程が異なる、又は素材が違うなど、いろいろと異なりますのでご注意を!。ドライインクは石油系溶剤で見事に消えますからね(笑)。印刷失敗したときは便利ですがw。一般的には、デカール貼付後、クリアーでコーティングしてしまえば保護できます。


トップコート
全体的なツヤを整えます。ここでは、半光沢、フラットについての説明です。
コーティング剤として使うものは、瓶入りクレオスのスパークリアーUとUVカットスーパークリアーつや消しです。今後、他メーカーのものも使用していくと思います。
なんということはないのですが、半光沢の場合は、スパークリアーUとUVカットスーパークリアーつや消しで調合します。スーパークリアー(半光沢)もありますが、調合の割合で調整できるので好みでやっています。
フラットの場合はそのまま希釈して使用します。溶剤との希釈率は目分量で感覚任せですが大まかに1:4,5くらいでしょうか。何回か吹き重ねるのですが、慌てないでいきたいところですね。ラッカー系塗料はデカールを溶かしますので、吹きすぎには十分注意します。


'07より、トップコートはこれらを使用しています。
右図左より、クレオススパークリアーU、ガイアノーツEXクリアー、フィニッシャーズオートクリアー。左図左より、ガイアノーツフラットクリアー、フィニッシャーズスーパーフラットコート、光沢度調整溶剤。


この作業でもしも白化してしまったら、缶クリアーをぷしゅ〜っと一吹きし乾燥を待ちます。それほどの白化でなければこの作業で解消されてます。これで治らなかったら、2000でペーパーがけするとかあがきます(滝汗)。これでダメだったらシンナーかければいいんです。。。泣けますなw。
白化は、一度の吹きすぎが原因なので、ようは慌てないってことですね。あと、雨の日はやってはいけません。湿度も80%オーバーだと注意が必要です。こういう場合はリターダーを混入すると安心します(成果の程は?ですが、いいらしいです)。

これらの行程が終了したら、丸一日乾燥させます。ラッカー系でコーティングしているので基本カラーとよく馴染ませるためです。特にフラットの場合は、基本カラー塗装後と色合い、質感が全く違ってくるのでその変化をチェックしておきます。



トップコート完了!。左図は半光沢部分とフラット部分があります。画像では判り難いですが実物はアクセントが効いていて好みな仕上がりです。右図は完全にフラットです。


これらを組んだら完成!。最終作業ですので充分注意して〆たいところですね。パーツ壊さないとか、塗装膜剥がさないようにとか・・・・・。こればっかりは酒飲みながらは出来ませんな(爆)。





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